お城の空は青く青く晴れ渡っておりました。
王子様とジャンは朝早くから起きて支度をしておりました。

 今日のお散歩はいつもとは違います。
今日は大広間の扉は使いません。王子様とジャンは、「まやかしの森」へあの女の子に会いにいくと決めていたのです。

大きなバスケットに料理長の作ってくれたオヤツとポットを詰めました。
お城から「まやかしの森」へは、まず城下町を抜けて草原を通り越さなければなりません。とても遠いので、とても歩きでは無理です。王子様とジャンは馬に乗っていくことにしました。
 王子様の馬は「プラチナスター号」という白い馬です。ジャンはお城の馬を借りました。栗毛の気性の穏やかな「プラタナス」という馬を選びました。
王子様とジャンは二頭の馬を並べてパッパカパッパカと「まやかしの森」目指して走っていきました。

お日様が真上に来る頃に、王子様とジャンはようやく「まやかしの森」にたどり着きました。二頭の馬を手近な木につなぎました。

さぁ、いよいよあの女の子に逢えるのです。
王子様はドキドキしました。
真っ赤な顔で髪の毛を直し、身なりを整えて、出発です。

「なんだか思っていた感じと違うな」

「…そうですね…なんだか寂れた暗い森ですねぇ」

二人は薄暗い森を見上げていましたが、気を取り直しました。

「よし、ジャン、行くぞ」

「はい、王子様〜」

ところがです。
二人が「まやかしの森」の中をしばらく歩くと何故か入り口へと戻ってきてしまうのです。

「なぜだ?何故なんだ?」

「すみません、王子様…ワタシ、すっかり忘れてましたけど…」

「なんだ?」

「いえ、この森が『まやかしの森』と呼ばれている所以を…」
『まやかしの森』
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