お日様が空に顔を見せる頃、ジャンは目覚めます。
顔を洗って身支度を整えて、王子様の部屋へ王子様を起こしに行くのがジャンの最初の仕事です。

今朝も、ジャンは王子様を起こすために王子様の部屋を訪れました。
まずは扉をノックします。
大きな音ではいけません。控えめに、けれども小さすぎても駄目なのです。
ちょうどいい大きさでジャンは三回ノックしました。
そして、そのまま扉の前でしばらく待ちます。
いくらお世話係とはいえども、いきなり扉を開けては失礼になるからです。
けれども、やはり今日も王子様からの返事はありません。

ジャンは「王子様、おはようございます〜」と声をかけながら、部屋の中へと入っていきます。
最初の部屋は王子様の来客用の部屋。
次の扉は王子様の勉強部屋。
そして、その次の部屋は王子様の遊ぶための部屋。
その奥が王子様の寝ておられる寝室です。
これでは、ノックも聞こえません。
けれども、ジャンは毎朝のノックを忘れません。それが作法というものなのです。

 寝室の扉を開けると、大きな天蓋付きのベッドで王子様が寝ています。
ジャンは「王子様、朝でございますよ」と、大きな窓のカーテンを開けて部屋に明るい光を入れました。
いつもなら、眩しい光で王子様は目覚めるのに今朝にかぎって王子様は身動きもいたしません。ジャンは「あれっ?」と思いながら、王子様の顔をのぞき込みました。 
すると、なんということでしょう。
王子様は額に汗をかきながら苦しそうに寝ています。
その顔と布団の上に投げ出された手には、赤や黄色の奇妙な斑点が浮き出ているではありませんか。

「王子様、王子様〜、どうなされたのですか〜?」

ジャンの呼びかけにも王子様は苦しそうにうなるだけで目もあけません。
ジャンは慌てて部屋を飛び出しました。
『真 心』
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