クリスマス
今夜はクリスマス・イヴです。
サンタさんに会いたくて眠らない子供や、眠りたいのだけれどもワクワクした気持ちを押さえきれなくて眠れない子供のために、るぅは大忙し。
けれども、夜も更け、どうやら子供達もやっと眠りについたようです。
るぅは一仕事終えてフワフワと空を飛んでいました。
すると、なんだか気になる信号をキャッチしました。
るぅを呼んでいるのではありません。
けれども、感じたことのない種類のものなので、るぅはとても気になりました。とてもとても疲れていたのだけれども、るぅは信号の元へと行ってみることにしました。

そこは高層ビルの立ち並び、眠らない都市の夜景が綺麗だと評判のホテルです。
ヘッドライトだけの薄暗い部屋。
テーブルには二人が乾杯したであろうシャンパングラスが二つ、ボトルは床に転がったままです。そして、散乱した服が散らばっています。
ベッドには男の人が一人、白いシーツにくるまって眠っています。
その男の人の傍らで、女の人が一人、彼の寝顔を微動だにせず見つめていました。
るぅが気になった信号の発信源は、その女の人でした。
その信号は『眠りたくない』という強い意志でした。

るぅは、女の人の元へと飛んで行き尋ねます。

『どうして眠りたくないの?』

女の人は一瞬だけるぅを見て、すぐに視線を男の人へと戻しました。

「だって、眠ったら全てが消えてしまうかもしれないもの…」

女の人のほっそりとした手が優しく彼の髪を梳きます。

『消えるって何が消えるの?』

「今、見ている夢がよ…」

るぅには女の人の言っていることがわかりません。

『あなたは今眠っていないよ。
 だから、夢なんか見てはいないんだよ』

女の人はすでにるぅの言葉には顔もあげません。
ただ、ひたすらに男の人を見つめ続けます。
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