『マスターに夢を見せたいの?』

「いいえ、そうではありません。
マスターはお亡くなりになる前に私に言いました。
 『お前は実は戦闘用ロボッ トとして作られたのだ』と。
 それまで、私はマスターにいろいろなことを教わりました。
 何も知らなかった私にマスターは、1から教えてくださったので す。
 この世界がとても美しいことを教えてくれたのもマスターです。
マスターはおっしゃいました。
 『ロボットの研究にはお金がかかる。
 私は戦闘用ロボットを作るという名目でスポンサーに制作費を出 させていた。その金でお前を作ったのだが、お前を戦闘用にした かったわけでは決してないのだ。
 私が死んだ後、スポンサーがお前を引き取りに来るだろう。
 逃げなさい。もし捕まってしまったら、お前は戦闘用としてしか 生きられなくなってしまうだろう』と」

『キミは戦闘用ロボットとして生きるのは嫌なの?』

ロボットは悲しげにうつむきました。

「マスターは私に感情というものを教えてくれました。
 生命というのは奇跡です。
  私はあらゆる生命の生きる、この美しい世界を私の手で壊すこ とには耐えられません。」

『だったら、マスターの言う通り、逃げればいいんじゃないの?』

「私のこの姿は目立ちます。
ずっと逃げ切れるとは到底思えません。
かといって 、戦闘用ロボットとして生きていくのにも耐えられ  ないのです」

るぅは困ってしまいました。

『ボクにどうして欲しいの?』

ロボットは銀色の腕をるぅの方へと伸ばしました。

「私に永遠の眠りを与えてください。
二度と目覚めることのない夢を見させてください」
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