その夜、るぅを呼んだのは今までに感じたことのない不思議な信号でした。
るぅはふわふわと信号を頼りに飛んでいきました。
辿りついたのは、森の中の白い建物。
建物の前の小さな庭には真新しいお墓がありました。
その墓石には「我が主人ここに眠る」と書かれておりました。
るぅはしばらくそこに留まってお墓をじっと見ていましたが、やがて何かに導かれるように建物の中へと入っていきました。
建物の中には灯り一つ付いておらず、しーんと静まり返っておりました。
るぅは建物の中を迷うことなく飛んでいきました。
目指すべきは、どうやら地下室のようです。
そこにいたのは、大きな机のような寝台に毛布もかけずに仰向けになっている銀色の
ロボットでした。
『ボクを呼んだのはあなた?』
るぅの声に銀色のロボットはかすかな駆動音と共にこちらに顔を向けました。
「私の祈りが届いたのですか?」
『…祈り?』
「はい、祈りです」
『キミは何を望んでいるの?
ボクにできることは夢に関することだけだよ。キミは夢を見るの?』
るぅの問いかけに、ロボットは静かに首を振りました。
「私はロボットです。眠るように作られてはいませんので、夢を見ることはでき
ません」
『それなのにボクを呼んだの?』
るぅにはわけがわかりません。
「先日、マスターがお亡くなりになってしまいました」
永久の眠り