るぅは彼女に顔をよせて耳元で小さな声で教えてあげます。

「大丈夫だよ、ボクが眠らせてあげるから。
 きちんと眠れば頭もすっきりして、できなかったこともちゃんとできるようになるよ」

女の人はボロボロに泣きながら、るぅの言葉に頷いて、ベッドへと入ります。
彼女の上に浮かんだるぅは、小さく大きく回りながら夢の扉を開く呪文を唱えます。
数分後、部屋には女の人の規則正しい寝息が聞こえはじめました。

これで彼女はもう大丈夫でしょう。
るぅは、部屋を出る前にもう一度女の人の方を振り返り、にっこり微笑みました。
彼女の目の下のクマは明日には消えないでしょう。
パサパサになった髪も、ボロボロになった肌も、元に戻るまでは少し時間がかかるかもしれません。
けれども、きっと明日の彼女は血走った目もしていませんし、すっきりした頭で一日を始めることができるはずです。

おやすみなさい、よい夢を…。
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